ビジネス英語力でフィリピンが世界一にランクされたのはなぜなのか?

Blog Article Thumbnail

写真は、GlobalEnglishによるレポートより

フィリピンがビジネス英語力ランキングで1位に

少し古いのですが2013年にピアソン・エデュケーショングループのGlobalEnglish(現在はPearson Englishという名前)が非ネイティブな英会話者を対象にビジネス英語力の世界ランキングを発表しました。

このランキングでは、フィリピンが世界一にランクしているのですが、日本語で見つかるほとんどの記事は、実際どうやって調査したのか中を全然見てないみたいなので
参考記事: Who’s number 1? Really? – The Economist
The Economistのこの記事では、この調査がGlobalEnglishの有料会員のみを対象にして行っているので正確じゃない。なぜかというと、ビジネス英語のほんとに上手い人はGlobalEnglish(ビジネス英会話スクール)の有料会員にはなってないはずだから。という理由をつけています。
逆に、Forbsの記事ではフィリピン人の英語力はインド人を上回っている。だから世界のコールセンターの中心はフィリピンに移ったのだ。という好意的な記事を書いています。
参考記事: Countries With The Best Business English
このテストの結果についてもう少し詳細に書くと、このテストでは結果にBEIスコアという独自の指標を適用していて、最低が0、最高が10で各生徒を評価しています。ランキングは13万7000人が受けた結果を基にして出しています。
全体の平均は10点中4.5点だったそうです。4.5点は初級寄りの初中級ぐらいのレベルです。このスコアだと、英語でのプレゼンテーションを理解したりは出来ますが商談の場では大した役割は果たせないし、難しい仕事は任せられないという説明があります。
このテストスコアでフィリピンが1位の7.95点でした。7.95点は中上級レベルで商談の場でもある程度大きな役割を果たせるし、ある程度難しい仕事も任せられるぐらいのレベルらしいです。
2位以下にはノルウェーや、オランダが続いてます。日本はというと4.29点で平均より下になっています。
もちろん、この調査はGlobalEnglishの生徒を対象にしているので偏りがあるものの、個人的にも平均的にみてフィリピン人の英語はすごいと思っています。
シンガポールもすごいと言われていますが、実際に町中で話すと話せない人が結構いて、ほぼ全ての人が話せるフィリピンとは違うなと感じました。

なぜフィリピン人は英語が上手?

1.アメリカ企業のコールセンターが多い

フィリピンが英語が出来るのは、一つはアメリカの企業のコールセンターがたくさんあるからですね。リンガルボックスでもコールセンターでエージェントの指導を行っていたという先生が何人かいるのですがこうした人だと、アメリカ人とほぼ変わらない英語を話します。

コールセンターはスキルには結びつかないところもあるし、アメリカとの時差があるため深夜労働になりがちですが、給与が他の仕事の2倍以上はするため人気です。
コールセンターは、基本的に大卒者に対して試験を行った後、面接をしてアクセントがきれいな人を採用します。そしてそこから更に上記で述べたような指導者が発音トレーニングを行っています。
ここから実際にアメリカ人と毎日何時間も会話するわけなので、コールセンターにいた人はとても上手に英語を話します。

2.英語が話せないと学歴がないと思われる。

またフィリピン人いわく、フィリピンでは英語を流暢に話せないと学歴がないと見られるそうです。だから、皆そう思われないようにちゃんと勉強するというのもあるそうです。

3.学校では全て英語で授業を行う

また、基本的にフィリピンの場合は学校で使う教科書は全て英語だし、授業も英語で行います。

4.映画は基本字幕なし

映画も字幕なしです。テレビで放映している映画だと吹き替えもありますが、映画館では吹き替えはないです。 それでも皆ジョークの場面では一斉に理解して笑ってたりするのですごいです。

5.出稼ぎ大国

フィリピンは世界一の出稼ぎ大国で2013年には$25.1B(約3兆円)のお金が海外からフィリピンへと送金されています。国内の給与水準が低いことやそもそも仕事が少ないことを理由に多くの人が外に出て行くのですね。こうした事情もあり英語を習得することは必須という意識があります。

まとめ

フィリピンでは、やはり日常的に英語に触れる機会があったことや必要性に迫られていることで英語力が高くなっています。

日本だとどちらもないというのが現状で(それはいいことでもありますが)やはり、自分で理由付けを行ったり環境づくりをしていく必要がありますね。

Display link to browsing tutors
ライターについて
Author Avatar
オンライン英会話のリンガルボックス運営者。