こんにちは、リンガルボックスの手島(@atsuhio)です。
最近ですが、「やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学」という本を読みました。 やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学 なぜ、この本を買ったのかというと、先日タイムチケットを通して東京大学教育心理学の博士課程に所属されているMika Igarashiさんと話したことがきっかけです。お話する中で、正しい目標設定をすることは意外と難しく、そしてとても重要であるということを強調されていました。 ページ数はそれほど多くない本ですが、継続して続け、目標を達成するにはどうすれば良いのか、非常に上手くまとまっています。英語学習が中々続かないという方や、もっと早く目標を達成したいという方には是非読んで頂きたい本です。(もちろん読むだけでなく実践しないといけませんが) もう一つこの本がいいと思う理由が、科学理論にもとづいている点です。過去の僕自身の反省点でもあるのですが、多くの英語をある程度マスターした方のアドバイスに共通するのが、科学理論ではなく、個人的な経験や数人の経験のみにもとづいたことを書いてしまっている点です。 もちろん、こうしたアドバイスにも価値がありますが、科学理論に基づいた学習方法の方が成功率が上がるのでは、多くの人に適用しやすいのでは、と個人的には思っています。 そこで今後、このブログでは経験だけではなく、科学理論にもとづいた英語学習方法も多く紹介していこうと考えています。 前置きが長くなりましたが、今回の記事では、きちんとこの本の内容を自信の頭に入れるという目的も含め、簡単に内容を紹介していきます。1. 第1章: 目標に具体性を与える
この章によると、正しい目標は例えば「夜9時になったらTOEICの勉強1時間を開始する」という風に出来るだけ具体的にすべきということが書かれています。なぜかというと曖昧な目標とくらべて具体的な目標は求める成功の姿をはっきりとさせるからです。
そして、これも安易に目標を立てるのではなく「なぜその目標を達成したいのか」ということを考え抜くことが大事だそうです。例えばTOEIC900点を目指していたとします。そのなぜ800点ではなくて900点なのか、満点ではないのか。ということを明確な方がより良い目標ということです。 こうして目標を理由とともに立てることで、楽な方向に流されることを回避しやすくなるそうです。 目標を立てたら次に重要なことは、「その目標の達成した状態」と「その目標を達成するのに障害となること」の2つを常に意識することで、これをメンタル・コントラストと呼ぶそうです。 この2つを意識することで、自分が目標を達成するために足りてない部分を想像出来、足りてない部分を補うための具体的な行動を考えることが出来ます。 まとめると、具体的な目標を持つこと、目標への障害とそれを乗り越えるための具体的行動を常に頭に置くことが目標達成につながるということです。2. 第2章: 目標達成への行動計画を立てる
この章で強調されているのは、目標を達成するために必要な行動を最初からスケジュールに組み入れるということです。たとえば英語の勉強において、空いた時間を使ってやるのではなく、「月、水、金の午後10時からは英語の勉強をする」という風に決めます。こうすることで行動が実行される可能性が300%向上するそうです。
もう一つ重要なことが、「できなかった時にどうするのか」も同時に決めることだそうです。なぜかというと、例え上記のように具体的なスケジュールを立てたとしても、突発的に残業が入ったり、友達に飲みに誘われたりして出来ないということが起こるからです。 こうした突発的な事情があっても良いように予め対応を決めます。例えばですが、「もし英語の勉強に時間が取れなかったら、次の日は30分早起きして勉強に充てる」という風に決めることが出来ます。 こうして、やることがはっきりしていれば、意識しなくても行動すべきときにその行動を簡単に取ることが出来るようになります。 個人的には、会社員時代、仕事の帰りの電車では必ず英語を勉強すると決めていました。またそのために少し遠めの場所に家をあえて借りるということをしていて、そのお陰で毎日1時間近くは最低でも英語の学習をすることが出来ました。3. 第3章: 目標までの距離を意識する
この章では、正しいフィードバックを行うことの大切さについて書かれています。僕がMika Igarashiさんと話した際にもこの本と同様に正しいフィードバックの大切さについて話されていました。
自分の目標と現在の自分との距離がはっきりとすることで、モチベーションを保ちつづけることが出来ます。このフィードバックの適正な量は、目標を達成したい時期までの期間や、その目標への距離によっても変わってくるそうです。 なぜかというと、まだその目標を達成するのに必要なスキルと自分のスキルのギャップが大きい場合、頻繁なフィードバックは逆にモチベーション低下につながってしまうからだそうです。 例えば、英語の学習であればTOEIC900点を最終的に目標として、まだ自分の実力がTOEIC400点レベルだったりするのであればフィードバックはそれほど多くは必要ないということです。 もう一つ重要なのは、「これまで思考」と「これから思考」とでは、「これから思考」を強く持つのが大事だということです。 例えばTOEIC900点を目指していて、400点から700点まで伸びたとします。こうした時に、「これから、まだ200点伸ばさなければ」という意識でいるのと、「もう300点も伸ばすことが出来た」と考えるのだと後者はそこで行動が止まってしまう可能性が高まるそうです。4. 第4章: 現実的楽観主義者になる
この章では、目標達成にするための努力の量や困難さはシビアに見積もるべきだということが主張されています。よくあるのが、努力の量を意識せずに「まあ何とかなるでしょう」というような意識でいて何とかならないパターンではないでしょうか。学校のテストなんかでよくありますよね笑
こうした非現実的な楽観主義者でいるのではなく、例えば海外留学でTOEFL100点が必要なら、「大変な努力はしないといけないだろうけど、きっと自分なら出来るはず」と思うことが大事ということですね。またその大変な努力というのがどれくらいなのかもシビアに分析する必要があると併せて強調されています。5. 第5章: 「成長すること」に集中する
この章では、目標を立てるときには「今、何が出来るか」よりも「何が出来るようになりたいか」が大事だと主張されています。
そして、新しいことに挑戦する上で大事なのは「失敗してもいい」と考えることです。こう考えることで「失敗は出来ない」と考える人よりも成功率は大幅に上がるそうです。 なぜそうなるかというと、「失敗してもいい」と考える人は、「成長ゴール」と呼ばれる目標の立て方が出来るからだそうです。逆にそうでない人は「証明ゴール」という目標の立て方になります。 この「成長ゴール」を意識できる人は能力を発揮する最大の要因である不安感を持ちづらく、また期待値が「証明ゴール」を持つ人よりも低いので、失敗してもがっかりせずモチベーションを保ち続けることが出来ます。 だから、自分が何か新しいことに挑戦しようとしているなら「失敗したら恥ずかしい」などと思うんじゃなくて、失敗してもいいと思うことと、そう思える理由を自分の中で持つことが大事なのだと思います。6. 第6章: 「やり抜く力」を持つ
この章では、実は継続する力というのは一部の人が持つ才能などではなく誰でも出来ることなんだということが書かれています。
重要なのは何かが出来るかどうかを「才能や自分の生まれつきの能力」と考えるのではなく、「自分のスキルは今はまだまだかもしれないですがこれからどんどん伸ばしていける」と考える「拡張的知能観」を持つことだと書かれています。 この考えを持つことで、どんどん新しいことに挑戦して、失敗しても目標に向かってスキルを伸ばしていくことが出来ます。7. 第7章: 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
この賞では、目標を達成するには意志力が必要で、意志力は筋肉と同じように鍛えることが出来る、また使わないでいると衰えるということが書かれています。
意志力を鍛えるには、「進んでやる気にはなれないけど、自分が価値があると思えること」に取り組むことが良いそうです。こうしてやりたくないことをやり始めると必ず、サボりたくなる瞬間が来ます。それでも取り組み続けるようにすれば段々慣れてきて、継続できるようになります。 またもう一つ重要なのは、筋肉と同じように意志力も使うと疲れるということです。だから、日々大量の意思決定をする必要がある状態にあると、肝心なことをするための意志力を保つことが出来ません。 有名な起業家で毎日同じ服を着続けることをしている人(例えばスティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグ)がいますが、これは意志力を温存するという点でいいということですね。 また、回りにいる「意志力の強い人」を思い浮かべることや、自分へのご褒美を与えるなど、自分の気持ちを盛り上げること、も自分の意志力を高めるのにつながるそうです。8. 第8章: 自分を追い込まない
ここでは、意志力を有効に使うためにも意志力を消耗するような目標の数は少数に留めるべきということが書かれています。例えば、禁煙と禁酒のように多大な意志力が必要となることを同時にやろうとするのは避けるべきだそうです。
勉強に集中したいのなら、テレビや漫画など誘惑を呼び起こすようなものは極力周りに置かないべきです。自宅で仕事出来る方でも、あえてカフェやオフィスに出かける方が多いのはこれが理由ですね。 自分の意志力には限りがあることを意識し、意志力を消費する行動は少なめにすること、何か誘惑に負けたとしても自分を責めないこと、周りに意志力を無駄に消耗させる原因をおかないこと。そうしたことが重要です。9. 第9章: 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
この章では「やめるべきこと」を考えると逆にそれをやりたくなってしまうので、「やるべきこと」だけ考えるのがよい、ということが主張されています。
例えば「満腹まで食べるのをやめる」みたいな目標よりも「満腹まで食べたくなったら、一旦水を飲む」というような目標を立てるのが重要ということらしいです。 またこの章では同じ目標でも、「その目標をどう言葉で表現するか」が実は重要であるということも書かれています。まとめ
いかがだったでしょうか?ここでは、全部は説明出来ないので多くの内容をはしょっていますが大体内容は掴んで頂けたかと思います。僕も読んだばかりなのでこれから本の内容を実行していきながら身につけていこうと考えています。目標の立て方や、モチベーションの保ち方で悩んでいるという方には是非一読をオススメします。
やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学